2015年度FWバイスに就任しました渡邉です。
 

私が東工大ラグビー部に入部してから3人のFWバイスの先輩を見てきました。
全ての面でスキルが高いFWバイス、スクラムで無双するFWバイス、コンタクトで相手を吹っ飛ばしまくるFWバイス。
そのような、試合の中でプレーでも声でも常に頼りになるFWバイス像が強く印象に残っています。
はたして自分がそのようなFWバイス像に近付けるのかとても不安です。
実際、大学からラグビーを始め、昨年はレギュラーを取れず、SHを除くとFWにも関わらずチーム最軽量の現在、とてもではないですが“FWバイス“として頼ってはもらえないでしょう。

では、どうしたら“FWバイス”になれるのでしょうか。
私の好きな漫画の一つに、ちばあきお作の野球漫画『キャプテン』があります。
この物語のあらすじは、主人公・谷口タカオは強豪・青葉学院から弱小・墨谷二中に転校することから始まります。
谷口は青葉では“補欠の補欠”で才能の全くない選手でしたが、ひょんなことから墨谷二中生に“すごい選手”だと勘違いされてしまいます。
当然試合では全く活躍できず、他の部員から不信の目で見られてしまいます。
しかし、陰で人一倍努力をし、そのことを知った他の部員も触発されて猛特訓するようになり、弱小チームは格上を撃破するようになります。
また、試合でも指の骨を折りながらもそれを隠して懸命にプレーを続ける谷口は、遂に誰からも頼られるリーダーとなったのです。

才能はなくても、大きな武器はなくても信頼を得る方法はここにあると思います。
もちろん簡単なことではありません。
華麗なプレーはできなくてもいい。
試合後半のきつい時に最後までボールを必死に追いかけられる“FWバイス”になりたい。
さすがに指が折れてまでプレーを続けるのは難しいですが、私は谷口タカオのような“FWバイス像”を目指して1年間戦っていきます。