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2020年度 リレー日記

目に見えないもの

投稿日時:2020/04/20(月) 04:02

2年の白石魁です。

現在、新型コロナウイルスの影響でやりたいことができない状況が続いているわけですが、こうした現状を誰かのせいにして非難したり、自分のせいにして思い詰めたりしてはいけない、すべてはあくまでウイルスが原因なんだということを忘れないことが大切です。と、テレビの解説者が語っているのを聞き、そうは言っても「目に見えないもの」のせいにするというのもなかなか難しいなあなんてことを芸能人か誰かが言っているのを聞き、「目に見えないもの」で思い出した本があったので紹介します。

それは、『星の王子さま』という本です。この本は昔から家に置いてあって、子供のころから僕は何度か読んでいるのですが、読むたびに内容の解釈が自分の中で少しずつ変わっていく本です。と、まあかっこいいことを書いたものの、定期的に読みたくなるほどストーリーが面白いとか、そういうわけではありません。ただこの本は表紙の絵もタイトルも子供らしく、厚みもそこまでないので手に取りやすいので、内容を忘れたころにふと読み返したくなるような本なのです。では、その内容について話します。

ある飛行士が、砂漠で墜落して飛行機を修理していると、ある少年に出会います。不思議な格好をしたその少年は、自分は別の星から来たのだと言います。飛行士は不思議がりながらも、その子のする話に耳を傾けます。彼の住んでいた小さな星の話、旅の途中で立ち寄った星の個性的な住人の話、地球で出会った生き物たちとの話など、その王子さまのする話は、摩訶不思議で、おとぎ話のようなのですが、それでいてどこか哲学的なところもあるお話なのです。例えば、僕が1番印象に残っている、王子さまがキツネと出会う場面があります。王子さまは1匹のキツネに出会い、「友だち」になる方法を教わります。そこでキツネは王子さまにこう言います。「いつも、おなじ時刻にやってくるほうがいいんだ。(中略)もし、あんたが、いつでもかまわずにやってくるんだと、いつ、あんたを待つ気もちになっていいのか、てんでわかりっこないからなあ・・・・・・きまりがいるんだよ」「そいつがあればこそ、ひとつの日が、ほかの日とちがうんだし、ひとつの時間が、ほかの時間とちがうわけさ。」と。この言葉は、今すごく身に染みて実感できる言葉です。何曜日に部活がある、何曜日にバイトがある、そういう「きまり」があるからこそ、日々の気持ちの持ちようも変わってくるし、生活にリズムが生まれます。忙しい中にあるオフだからこそ価値があり、その日をどう充実させようかと考えるモチベーションも湧いてくるのです。現在のようなエブリデイオフ状態、昨日が今日でも明日が今日でも今日が明日でも明日が昨日でも同じような状態では、もしなにかやろうと思ったことがあっても、まあ別に明日でいっか・・・となってしまいがちです。それではダメだと、キツネは言うのです。「きまり」を作れと。そうすることで今日が今日たり得るのだと。全くその通りであります。だから僕も、何曜日はこれをやるとか、毎日これだけはやるとか、自分に課す「きまり」を早急に作らなければと思っております。

少し日記が膨らみすぎてしまいそうなので、そろそろ終わらせに行こうと思います。で、この本の最後には、ついに飛行士の飛行機が直り、王子さまとお別れしなければならなくなるのですが、最後の日に王子さまはこう言います。「たいせつなことはね、目に見えないんだよ・・・・・・」「夜になったら、星をながめておくれよ。(中略)きみは、ぼくの星を、星のうちの、どれか一つだと思ってながめるからね。すると、きみは、どの星も、ながめるのがすきになるよ。星がみんな、きみの友だちになるわけさ。」今まではただの点だった星たちが、その中のどこかで王子さまが笑っていると考えたら、全ての星が笑っているように感じられると言うのです。なんて素敵なことを言うんでしょう。とてもロマンチックです。でも、確かに世の中、たいせつなことは目に見えないのかもしれません。すれ違う人達と自分の友達の違いも他人の目には分からないし、自分が大切にしているものも、人から見ればただのガラクタだったりします。そうした「目に見えないもの」の大切さを忘れてはいけないと、この本は教えてくれるのです。
 
疲れました。
 
セリフ引用:岩波書店『星の王子さま』サン=テグジュペリ作 内藤濯訳

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